春になり、バラの新苗が販売されるシーズンになってきました!
憧れのバラをお迎えしてみたいけど、
と思っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、近年では初心者でも育てやすいような品種が増えていますし、初心者でも、新苗を育てるポイントを押さえれば家庭でバラを楽しめるかもしれません!
私も今年は魅力的な品種にあらがえずに新苗をたくさんお迎えしたので、改めてバラの新苗を初心者でもうまく育てられるコツについてまとめてみたいと思います!
バラ新苗の育て方の基本【初心者向け】
春になると園芸店やホームセンターに並び始めたり、インターネットの販売も開始される「バラの新苗」。
手が届きやすい価格で販売されていることも多く、豊富な品種から選べるのが魅力です。
ですが、「大苗との違いは?」「本当に育てられるの?」と不安になる方も多いはずです。
- バラの新苗についての基礎知識
- 選び方
- 購入時期
- 育て方の流れ
など、初心者が知っておきたいポイントをまとめました。
バラの新苗とは?大苗との違いを簡単に解説
- 新苗の特徴
- 大苗の特徴
前年に接ぎ木された苗が、春に芽吹いて販売される若い苗のこと。
一般的に4月〜5月に市場に出回り、枝が細く、まだ花を咲かせるほどの体力はない。
ただし店舗の管理によっては既に花が咲いた状態で販売されていることも。
新苗より1年長く育てられ、冬の間に堀り上げて休眠状態で販売される。
枝が太くしっかりした株であることが多いので、すぐに花を楽しめる。
その反面、新苗より価格が高め。
新苗と大苗について簡単に特徴をまとめるとこのようになります。
新苗は育成に手間はかかりますが、その分バラを育てる楽しさを実感できるのも魅力です。
新苗の販売はいつから?早めの準備がポイント!
新苗の販売時期は、地域によって多少の差はありますが、一般的には4月中旬から5月末ごろが中心です。
園芸専門店やバラ園、ホームセンターなどで取り扱いがあり、人気品種は早めに売り切れてしまうこともありますので、確実に入手したい方は早めの行動がポイントです。
私もお目当ての品種を購入したくてインターネットでの販売に参加したりしていますが、一瞬で売り切れてしまうような人気品種も多いです!
そのため、目当ての品種やお気に入りのブランドなどがある場合は、3月ごろから情報収集を始めるのがおすすめ。
事前に植えたい場所を考えたり、土や鉢の準備も整えておくとより安心です!
初心者が新苗を選ぶときのメリット・デメリット
メリット
デメリット
新苗の最大のメリットは、価格の安さと品種の豊富さです。
一方デメリットは、少し頼りなく見えて不安になる点や、すぐには花を楽しめない点です。
初心者でも気軽にいろいろな品種を試しやすいのが新苗の魅力ですが、品種によっては病気にとても弱かったり、樹勢が弱い場合もあります。
病気に強く育てやすい品種を選ぶとより失敗しにくくなります。
失敗しない新苗の育て方の流れ
新苗を成功させるためには、購入から植え付け・鉢増し・水やり・肥料・剪定までのステップを正しく行うことが大切です。
- まず購入後は、風通しと日当たりの良い場所に置いて1〜2日ならす。
- 鉢や庭に植え付ける。
- 最初は根が少なく不安定なため、支柱を使って苗をしっかり支えるとより安心。(既に苗に支柱が付いている場合は取らない!)
- 鉢で育てている場合は成長に合わせて鉢増しを行い、梅雨前までに根をしっかり張らせる。
- 夏は無理に花を咲かせず株を育て、秋以降に剪定や防寒対策を行う。
以上が新苗を育てる際の基本の流れです。
また、もうひとつ必ず押さえておきたいポイントとして
- 鉢に刺さっている支柱をすぐに抜かない
- 苗の根本の継ぎ目にテープが巻いてある場合は絶対にとらない
という点があります!
これは、先述したように新苗は芽を接いだばかりの苗であるためです。
支柱をとってしまうと、風にあおられた拍子に根元からぽっきり折れてしまうことがありますし、根本のテープをはがしてしまってもそこから折れたり、病気になったりしてしまいます!
せっかくの苗をいきなり台無しにしないためにも、しばらくそのままにして育てるようにしましょう。
バラの新苗の植え付け・鉢増しの手順と時期
新苗を購入したあとは、適切な時期に植え付けを行い、成長に合わせて「鉢増し」を行うことが、元気なバラに育てるための鍵になります。
また、地植えと鉢植えの選び方にも育てやすさの違いがあります。
- 失敗しない植え付けのタイミング
- 地植えと鉢植えそれぞれの育て方のコツ
- 鉢増しを行うベストな時期と注意点
について、具体的に解説していきます。
新苗の植え付けはいつ?時期を外すとどうなる?
バラの新苗は、4月〜5月に販売されることが多く、植え付けのベストタイミングも重なります。
購入後はできるだけ早めに鉢や地面に植え付けましょう。
特に気温が安定し始める4月中旬〜5月中旬は、根がしっかり伸びやすいので、植え付け後の生育がスムーズです。
時期を外して暑くなる初夏以降に植えると、根が十分に張らず、夏の暑さで株が弱ってしまう可能性があります。
また、秋以降に植えると寒さで成長が止まり、冬越しも難しくなるため注意が必要です!
地植えと鉢植えの違いとそれぞれの育て方
新苗は「地植え」と「鉢植え」のどちらでも育てられますが、それぞれに特徴があります。
地植え
- 一度根付くと手間がかからず、株が大きく育つのが魅力。
- ただし、日当たり・風通し・土壌の状態など、植え付け環境に左右されやすい。
- 一度植えると移動ができないため、植える場所選びが重要!
鉢植え
- 移動ができるので、日照管理や冬越しの対応がしやすく、初心者にはおすすめ。
- ただし、鉢の中の土が乾きやすく、こまめな水やりと定期的な鉢増しが必要なので、忙しい方には管理が難しい部分も。
鉢増しのタイミングと2回目のポイント
新苗を鉢で育てる場合、成長に応じて「鉢増し」をするのがとても重要です。
最初の鉢増しは、植え付けから1か月半〜2か月ほど経ち、根が鉢いっぱいに回ってきたタイミングが目安です(5月〜6月頃が多い)。
このときは1サイズ大きな鉢に植え替え、根を傷めないよう丁寧に作業します。
さらに秋には「2回目の鉢増し」を行うことで、株をしっかり育てて冬越しに備えられます。
2回目の鉢増しでは、深めで安定感のある鉢を選ぶと安心です!
バラ新苗の季節ごとの育て方と管理のコツ
バラの新苗は、季節ごとに管理のポイントが異なります。
春から夏にかけては植え付けと成長をサポートする管理が必要で、秋から冬は剪定や防寒対策が重要です。
特に初心者にとっては、「いつ・何をすればいいのか」が分かりにくいため、季節ごとの流れを押さえることが成功の鍵です。
春〜夏|植え付けと成長期の管理方法
春は新苗の植え付けシーズン。4月中旬から5月にかけて植え付けを行い、初期の根張りをしっかりサポートするのが大切です。
成長期となる5月〜7月は、日当たりと風通しの良い場所で管理し、朝か夕方にたっぷり水を与えます。
肥料は植え付け後2〜3週間後から緩効性肥料を適量与えるのが目安ですが、品種によっては肥料をあげすぎるとよくない影響があることもあります!
そのため、品種の育て方を事前によくチェックしましょう。
- 花がボーリング(つぼみの状態からうまく咲けない、半開きになってしまうこと)してしまう
- 病気に弱くなってしまう
- 花の色がぼけてしまう……など
病害虫にも注意が必要で、アブラムシやうどんこ病の予防として、葉裏のチェックと定期的な薬剤散布が効果的です。
また、この時期に花を咲かせたがる株もありますが、新苗はまだまだ赤ちゃんです。
株の充実を優先するため、もったいないですが花芽は摘み取るのがおすすめです!
秋〜冬|冬越し・剪定・防寒対策のポイント
秋は夏に伸びた枝を充実させ、冬に備える時期です。10月ごろからは肥料を控え、徐々に水やりの頻度も減らしていきます。
落葉が始まったら冬越しの準備を。12月〜1月には「冬剪定」を行い、細くて弱い枝や込み入った枝を切り落とし、株の風通しを良くします。
※自然に落葉しないでいつになっても元気な品種もあるので、冬剪定の時期になっても葉がついているときにはすべて取ってしまうのがよいようです。
鉢植えの場合は、寒風や霜から守るため、軒下などの比較的暖かい場所に移動させるのがおすすめです。
地植えの場合は、株元に腐葉土やワラを敷いて防寒対策をします。
寒冷地では特に冷え込みが厳しくなるため、しっかりとした保温が必要です。
寒冷地の育て方と枯らさないための工夫
寒冷地では、冬の気温が氷点下になる日が続くため、バラの新苗を守る工夫が欠かせません。
まず、寒さに対応して場所が移動できるよう鉢植えで育てるのがおすすめです。
寒さが厳しい時期は室内や玄関など、5℃以上を保てる場所に取り込むのが理想的です。
地植えにする場合は、秋のうちに腐葉土を厚めにマルチングし、株元を覆うように防寒資材を設置しましょう。
剪定は強めにせず、やや長めに枝を残すことで冬枯れのリスクを軽減できます。
また、強風を防ぐために風よけを設けたり、雪の重みで枝が折れないように支柱を使うのも効果的です。
バラの新苗を元気に育てるコツとよくある失敗
バラの新苗を育てる中で、「茎がひょろひょろになる」「枝が増えない」「成長が止まったように見える」といったトラブルは初心者にとってよくある悩みです。
これらの症状は、環境や管理方法に原因があることがほとんどです。
ここでは、新苗を元気に育てるための基本的なコツと、ありがちな失敗例、それに対する具体的な対処法を詳しく解説していきます。
バラの新苗がひょろひょろになる原因と対処法
バラの新苗がひょろひょろと徒長してしまう主な原因は、日照不足と肥料の過多です。
特に室内や日陰の場所で育てていると、茎ばかりが伸びてしまい、葉が少なく弱々しい株になりやすくなります。
また、成長を早めようと早期に肥料を与えすぎると、根が未発達のまま茎が伸びるため、同様にひょろひょろした姿になります。
対処法としては、まず十分な日当たりと風通しのある場所に移動し、1日5〜6時間以上の直射日光に当てましょう。
また、肥料は植え付け後2〜3週間経ってから控えめに始めるのが安全です。
徒長してしまった場合は、軽くピンチ(摘芯)をしてわき芽の発生を促すと、株のバランスが整いやすくなります。
バラの新苗の肥料・水やりの基本と注意点
肥料と水やりは成長を支えるうえでとても重要ですが、やりすぎや不足によるトラブルも多発しがちです。
肥料は即効性のものよりも、ゆっくり効く緩効性肥料を選び、植え付けから2〜3週間後を目安に施します。
「早く大きくなってほしい!」と思うとついたくさん肥料をあげたくなってしまいますが、1ヶ月に1回程度を目安にして、過剰にならないよう注意しましょう。
水やりは土の表面が乾いたタイミングで、鉢底から水が流れ出るまでしっかりと与えるのが基本です。
ただし、常に土が湿っている状態は根腐れの原因になるため、メリハリをつけることが大切です。
特に梅雨や秋雨の時期は水の与えすぎに注意しましょう。
朝に水やりを行うことで、日中の乾きやすい時間帯に合わせ、病気のリスクも軽減できます。
バラの新苗が細い枝しか出ない・成長しない時の対策
新苗を育てているのに、太い枝が出てこなかったり、成長が止まってしまうことがあります。
これは根の成長が不十分だったり、栄養が不足していることが原因です。
まず確認したいのは、根詰まりや根腐れが起きていないかという点。
鉢底から根が出ていたら、鉢増しのタイミングです。
また、植え付け直後にすぐ肥料を与えると、根の発育が妨げられることもあるため注意しましょう。
水やりや肥料の加減、日当たりの確保を見直し、それでも改善しない場合は、剪定やピンチで枝数を調整してみるのもひとつの方法です。
細い枝ばかりの場合でも、正しく管理すれば徐々に充実した枝が出てくるため、焦らずじっくり育てていくことが大切です。
バラ新苗の育て方でよくある質問Q&A
バラの新苗を育てるうえで、初心者が抱きやすい疑問はたくさんあります。
中でも、
- 「なぜ新苗は花が少ないのか?」
- 「育てやすい品種はどれ?」
- 「新苗と大苗はどちらがよいのか?」
といった点は気になりますよね。
ここでは、そんな悩みや疑問をQ&A形式でわかりやすく解説し、失敗しないバラ選びと育て方のヒントをご紹介します!
新苗はなぜ花が少ないの?
新苗に花が少ない理由は、株そのものが「成長段階にある若い苗」であるためです。
新苗は春に接ぎ木されてからわずか数ヶ月しか経っておらず、まだ根や枝が十分に育っていません。
この時期に多くのエネルギーを「花を咲かせること」に使ってしまうと、株全体の成長が妨げられ、将来的に立派なバラに育たなくなってしまうのです。
また、無理にお花を咲かせても、カタログ通りのお花にはまだ咲けずにがっかりすることも多いので、咲かせるとしても「試しに1輪咲かせてみようかな」程度にした方が良いようです!
上記のような理由から、多くの園芸家や専門家は、新苗の1年目には花を咲かせるよりも、株作りに専念することを推奨しています。
実際には、蕾がついても早めに摘み取ってあげることで、枝や根の発育を促し、2年目以降に大きく美しい花を咲かせるための土台ができます。
このように、新苗の「花が少ない」ことはデメリットではなく、長く楽しむための準備期間だと考えるとよいでしょう!
初心者が育てやすいおすすめ品種は?
初心者がバラの新苗を選ぶ際は、耐病性が高く、四季咲きで手入れが比較的ラクな品種を選ぶのが成功のコツです。
個人的には「ロサオリエンティス」のバラが初心者にもおすすめなのかなと思っていますし、私自身たくさん集めています。
日本での生育に適した品種がたくさんあり、夏でも観賞価値の高いお花を見せてくれたり、病気にも強い品種が多いのが特徴です。
お花もかわいくて、香りも良いのにおまけに強い!と嬉しいポイントがいっぱいのバラがそろったブランドです。
憧れの品種がある方は難しくても挑戦してみるのもありですが、まずはポイントとして
- 病気に強い品種
- 耐暑性・耐寒性の高い品種
- 樹勢が強く、元気いっぱい育つ品種
を選ぶのがよいと思います!
さらに、つるバラか木立性かによっても育て方やスペースが変わってくるので、自分の住環境や日照条件に合ったタイプを選ぶことも重要です。
たとえば、
- ベランダならサイズが小さく鉢でも育てやすい「フロリバンダ系」
- 庭植えで存在感を出したいなら大きく成長してフェンスやトレリスなどで演出できる「シュラブローズ」や「つるバラ」
といった選び方もおすすめです!
育てやすい品種を選ぶことで、日々の手入れが楽しくなり、バラの魅力を存分に味わえます。
バラの新苗・大苗でどちらがいいか迷ったときの選び方は?
新苗と大苗にはそれぞれ特徴があり、どちらを選ぶかは育てる人の目的や経験に大きく左右されます。
新苗
- 春に接ぎ木されたばかりの若い苗で、価格が安く、品種の選択肢が豊富というメリットがあります。
- 成長途上のため花が咲くまでに時間がかかり、株を育てる丁寧な管理が求められます。
大苗
- 1年間育成された後に出荷される成熟苗で、購入した年の春から花を楽しむことが可能です。
- 価格はやや高めですが、ある程度根や枝がしっかりしており、初心者でも失敗しにくいという安心感があります。
選び方のポイントとしては、「コストを抑えてじっくり育てたい人」は新苗、「すぐに花を楽しみたい人」や「管理に不安がある人」は大苗がおすすめです。
それぞれの違いを理解し、ライフスタイルや育成経験に合わせて選ぶのが大事です。
まとめ|ポイントを押さえて初心者でもバラの新苗を育ててみよう!
バラの新苗は、初心者でも適切なお世話ができれば充分育てられる植物です。
初めは不安でも、植え付けのタイミングや水やり、肥料の与え方などの基本を押さえれば、初心者でも十分に立派なバラを育てることができるはずです!
苦手意識がある方も、この春チャレンジしてみるのはいかがでしょうか?
私も素敵なバラをたくさん咲かせられるよう、毎日の観察を怠らないようにしようと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!







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